好酸球性副鼻腔炎－１

今週、好酸球性副鼻腔炎の手術の為に入院します。また入院。でもこれも命に別状なくて数日で退院するやつです。

今私は嗅覚異常を抱えており、手術が終わったら３か月程度は匂いが戻って来るらしいです。そんでまた匂いのほとんどない世界に帰るのだそうですが、いろいろ手は尽くしてみようと思います。難治性であまり知られていない病気は簡単に悪化します。早く医学が進歩してくれないかしら。

とにかく死んだりするものではないので軽く扱われがちですが、匂いのない世界というのは物足りないものです。しかし、そのかわりすごく味そのものに敏感になりました。香料ではごまかされません、だって匂いしないもの。あと、電車で臭いとかいう事もないです。

手術したら、匂いが戻って鼻もつまらなくて薬も使わなくてよくて喘息も出なくて集中力が戻って記憶力もよくなりぼーっとする事もなくなるのでは・・・と夢みてます。最後の３つは鼻閉による影響も確かにあると言われるものですが、加齢と元の性質もありますので夢は夢に終わるかもしれません。



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３０歳をちょっと超えたくらいのある日、急に鼻の奥でセメダインのような異臭がしたと思ったら、それ以外の匂いがわからないようになっている事に気づきました。

耳鼻科に行ってみると、鼻の奥が鼻茸（ポリープ）びっしりとの事。副腎皮質ホルモンの点鼻薬で一時的によくなるが、やめればあっというまに元通り。今はもうアレルギー薬＋副腎皮質ホルモンの点鼻薬を使わないと、鼻水じゃーじゃーで完全に鼻詰まります。本当にたまーに、ふわっと匂いがわかるときもあるのですが、基本的には匂いのない世界に住んでいます。その上薬を多めに使ってしっかり鼻をたたくと耳が痛くなったりして大変やっかいです。

１２～３年くらい前に２度、日帰り手術でポリープ取ったのですが、この時は、麻酔が局部なので痛みが中途半端で、また体に力を入れていて、術後は冷や汗と脂汗でべっとりでした。ガーゼや止血用ゼラチンスポンジのようなものを大量に詰められ非常につらかった。懲りて以後、今まで放置してきたのですが、今回症状の悪化に伴い泣く泣く本格的に手を入れる事にしました。

今回の病院は東京都立多摩医療センターです。あまり深刻でない病気で近隣の総合病院にかかっておきたかったので丁度良かったのですが、新しくて非常に綺麗でシステマティックです。待ち時間減少に力を入れているらしく、受付時にビーコンが渡され、診察科まで来いとか中待ちに入れとか何番の診察室に入れとか指示がでます。担当の先生が真面目な方なのか、うっかりすると予約時間より早く看てもらえたり、待っても１５～２０分くらいでした。

副鼻腔というのはは鼻の脇から両目の下、眉間から眉の上に広く広がった空洞をさします。健康な状態ならここは空気が入っているのですがＣＴの結果、私は全く隙間なくポリープ他の組織が詰まっている事がわかりました。手術の内容は、全身麻酔で鼻から内視鏡を入れ、副鼻腔に溜まったポリープや膿や、一部の骨を削る、というものです。

まあ普通にちょーびびりますよねこう聞くと！最初聞いたときは、ない、手術はしない。このままで良い。って思いました。

でも先生が軽いのです。術後２日くらいで帰りたければ帰っても、あ、心配ならいていただいてもいいですけど、とか、痛みもある人もいますけど、とか、出血は基本的にほとんどないです、ちょっと出る方もいますけど、とか、術後すぐ歩いている人もいますし、熱もあまり・・・とか言うわけです。突っ放した感じの先生ではなく、受け答えも丁寧なやさしい先生なので、え、そうなの、そんな感じ？なの？？ってちょっと混乱してます。

手術はハイビジョン内視鏡＋マイクロデブリッターという物で行うらしいです。基本的に術後にガーゼを挿入しないそうなのでたぶん傷を焼灼するのでしょう。だから出血もない。今回除去する骨は、硬いものではなく、紙のように薄い、副鼻腔内を仕切っている物だそうです。その両面に粘膜があるので、それごとまとめて取り除いて、副鼻腔内をスカスカにするそうです。

私の病気は好酸球性副鼻腔炎という物です。最初は慢性副鼻腔炎（蓄膿）と診断されたのですが、どうもなにか違うと思っていました。症状をこじらして、１０年位目くらいに好酸球性副鼻腔炎ではないか、と思い当たりました。好酸球というのは白血球の仲間で、アレルギー出ると多くなったりするものだそうです。この病気の特徴は色々ありますが、自覚症状的にわかりやすいのは下記３点です。

　　・嗅覚異常
　　・３０代から急に発症するぜんそく（NSAIDs過敏）
　　・除去してもすぐ同様になる大量のポリープ

この３つが当たっているので、間違いないと思っていました。昨年手術の相談で受診した際にようやくちゃんと診断されました。

好酸球性副鼻腔炎も子宮内膜症も、最初の発症はまだ広く知られていない時でした。研究対象がその病気でもないかぎり、医者は珍しい病気には明るくないでしょう。ましてや命に別状ないならなおさらです。玉石混合とはいえ、素人が自分の症状からある程度まで探り当てる事ができるだけの情報が開示され、インターネットで調べることができるのは本当にありがたい事です。対策が取れるわけではありませんが、何の病気かどういった症状で何ができる／できないのかわかるとちょっとだけほっとします。

最初の内膜症手術の為に順天に通っていた際に、そのまま耳鼻科にも行ってみたところ「この程度で大学病院に来るな！」と怒鳴られました。副鼻腔炎としての症状はそこまで悪くなかったのでそうなったのでしょうが、五感の１つが数年間欠損しているのは「この程度」なのか？と腹が立ちました。昨年の内膜症の時もそうですが、初診の先生は院生だったりする可能性が高いので、珍しい病気の場合はなかなか厳しいです。相手を論破する持ち球があれば提示できるのですが、なかなかそこまでできません。今では順天のHPにも好酸球性副鼻腔炎のページができたので、今だったらもうちょっと対応が違ったのでしょうがねぇ。あの時の担当医に知識があっても難治性なので治りゃしなかったのですが。本当は町医者でしっかり診断してもらい、紹介状を持っていくのが正しいルートなのだと思います。今ならもうちょっとやり方があったかなぁと思います。