2013年9月15日日曜日

内膜症と筋腫1 病状と治療

前からちょろちょろ書いておりましたが、9月18日から入院となりました。

ゾラデックス1.8
5月の注射
水虫ではなく更年期だった

手術日は9月19日。10数年ぶり3度めの手術です。内容はチョコレート膿腫による片卵巣と片卵管の摘出、ダグラス窩癒着剥離、及び多発性子宮筋腫核出。4つもやることがある上、筋腫が多発性なので3時間位の大変な手術になるとの事でした。先生には本当に申し訳ない。手術は腹腔鏡下で行われます。開腹に移行する可能性は20~25%程度との事。病状は内膜症の方が重症だそうですが、子宮温存を選択したため、筋腫を取るのが大変な様子です。癒着がなければ3日間、あれば1週間の入院の予定です。

今回の治療にあたり、医療従事者の方や治療を受けられた方のブログやHPが非常に参考になりました。清濁あれどインターネットで大量の情報が拾えるというのはありがたい事です。よくある手術ですし、自分の経験が誰か似た症状の方の参考になる事があればと思い、細々と記録を残します。

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●病気の経緯
2012年1月に急な下腹部の激痛で日医大に救急車で搬送され5日間入院しました。診断は骨盤腹膜炎。しかしここ数年自覚症状が出てきていたのと、覚えのある痛みだったため内膜症関連と確信。痛みは卵巣内のチョコレート膿腫が漏れ出て炎症を起こしたものと思われます。

2012年7月に10数年前に内膜症の手術していただいた順天堂を再訪。当時のカルテが残っていなかったのが非常に残念。3年に1回くらい通えばよかった。(法律により5年は保持)

上記の急激な痛み以外の症状としては生理時の痛みと、生理が終わっても微量の出血が続く事。出血がないのが月に1週間くらいで、貧血になりました。これらは筋腫の症状としてありがちな物で健康診断のエコーでも筋腫があるのは指摘されており、自分の感覚では筋腫の方が内膜症より悪いと思っていました。

●診断と判断
MRIの結果下記の症状が認められました。
・片方の卵巣がおそらくチョコレート膿腫で8cmくらいに肥大
・反対の卵巣も少々肥大
・左右不明だが片側の卵管が腫れている
・多発性子宮筋腫(6cm位のが1つ、1~3cm位のが複数で合計6個くらいありそうで、全て筋肉の内部に入り込んでいる)

全体の癒着は開けてみないとわかりませんが、自覚症状的には子宮と卵巣はそれなりに癒着していると思います。おそらく腸も少しくっついているのではないかと。腸の癒着が術後の経過を大きく左右するのでぜひちょっぴりであって欲しいです。比重としては内膜症の方が重症で、筋腫はせっかくなので一緒に取りましょうという事で、多発性な為子宮摘出をすすめられました。が、あれこれの挙句、取れる筋腫だけ取っていただく子宮温存の方針となりました。


●2012年7月のMRI画像

 

治療開始前の画像です。上段左端から横に、骨盤の左の骨の内側から1cm位の間隔でスライスしています。下段右端の画像でおへそがみえます。上段右端の写真に黒い丸い物が2つ見えますが、上は卵巣で下は筋腫です。立った状態でお腹をリラックスさせると、おへそ下の左側がいやに出っ張り、腹筋に力を入れると平らになるので(違和感なし)、姿勢等の原因で腹筋の筋力バランスが崩れた?と思っていましたが中がこんなになってました。こんな形状なのに腹筋に力入れてへこましても違和感ないって、人体ってフレキシブル!下段左端が子宮の筋肉内に入り込んだ多発性筋腫のの形状をよく映しています。これを腹腔鏡下で取るのはさぞ大変でしょう。摘出をすすめる先生の意図は十分理解でき、温存を許可いただけた事に大変感謝しています。

小ネタですが、


横切りにした画像を見ていたらカニがいたのでウケました。


●子宮を摘出するか否か
現在44歳で子供はいません。結婚が遅く、子供を強く希望している訳でもなかったので特に何もしていませんでした。お子さん望まれないなら子宮ごと取りましょうとさらっと言われました。でも望むなら自然妊娠は無理になるので、体外受精等を検討してくださいとの事。もう44歳なのにまだ正面から向き合ってくれようとする先生の姿勢に今時の医療のがんばりを見た気持ちがしました。

私の状態では腹腔鏡下で全ての筋腫を取りきる事はできないだろうし、6か月に渡るゾラデックスの使用で筋腫が縮み、手術時に発見できず通常サイクルに戻った時に元サイズに戻る可能性もあるなんて記述もみかけました。更にただでさえ血管の多い子宮をあっちこっち切って縫ってを繰り返す事になるので、子宮はボロボロになるし、出血量も増えるし、手術時間も長引くのが大変。

確かに私にとって子宮は諸悪の根源で癌のリスクもあるし子供を産まないなら無用な物ですが、取るなんて考えた事もなかったのと、年も年だけど本当に今ここで可能性を断絶していいのかってのと、人体にいらないパーツってあるのだろうか的なもやっとした不安もあり、残すことを希望しました。その後色々調べて最悪UAEをしようかとも考えていると言ったら、じゃあ取れる物だけ取って温存で行きましょうとなりました。

同じ先生が他の患者さんに「これは開腹で取る以外うちでは無理です」と言い切られているのが漏れ聞こえた事があるので、私のケースは本当に選択できるぎりぎりの所なのでしょう。

担当医と話す度に、気持ちは変わりませんかと言われます。次があれば確実に取りますとか、数日前までなら手術内容を変更できるので取る気になったら電話してくださいとか行って下さるくらい、医者と患者の両方の負担なんだと思います。それでもこちらの意思を尊重して下さる事に感謝です。

直前の今になってもやはり取ろうという気持ちにはなれていません。取って楽になったとか性生活も支障なしという書き込みをよく見るけど、こればかりは性格の問題なんだと思います。くよくよする人は予後も悪いというし、やってダメなら諦めるので今回は深追いせず、見えやすい2~3個を取っていただきたい・・・。

夫は先生の話を聞いて取った方がいいんじゃないの的な空気を出しつつ、本人の判断に任せると言っています。


●その他
筋腫は子宮の筋肉との境界線がはっきりした白い塊の組織で、ミオームボーラーというコルク抜きのようなスクリューの付いた鉗子を差し込める程度には固い様子です。これで筋腫を押さえて組織からくりぬいて、腹腔鏡の穴から出る程度まで切り刻んで出すわけですが、それを見せられるであろう夫が気の毒でしょうがありません。つらそうなら逃げても恨まないよと言ったのですが、大丈夫だそうですので写真を撮ってもらおう。

前の手術は武内先生というスパードクターにご担当いただいて、他の病院では開腹といわれる程の状態を腹腔鏡で2回に分けて施術していただき、術前術後とも丁寧に説明して下さり、予後も驚くほど良い状態が10年以上も持って大大大感謝だったのですが、数年前に亡くなられてしまい本当に残念に思っていました。今回の担当医は北出先生。こちらも評判のいい先生で、武内先生のチームにいらした事があるようです。外科医!って感じのパキパキした美人先生です。きっと陰でまりちゃん先生と呼ばれていると思います。

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2 件のコメント:

マロン さんのコメント...

はじめまして
子宮筋腫が見つかり今度順天堂大学病院にかかる予定のマロンといいます
早速なんですが、順天の北山先生ってどんな感じの方でしたか
婦人科自体初めてなのでなるべく話しやすい先生に診てもらいたいと思ってるんですが
何か分かることがあれば教えていただけると嬉しいです

k子 さんのコメント...

マロンさん、はじめまして。返信遅れて申し訳ありません。

北出先生はパキパキしたいかにも外科医!な感じの先生でした。頼りがいがある、と感じる方と、強そう・・・と感じる方と二極するかもしれません。

結論へ最短距離で行く感じで、ダメな事はダメとはっきりとおっしゃいます。同席した夫はナイーブな性格なのでちょっと・・・思ったようでした。優しい柔らかい応対を期待すると傷つく事もあるかもしれませんが、ものすごくお忙しそうなのにお話はきっちり聞いてくださいますし、質問するとしっかり答えて下さいます。

しかし北出先生よりもその前に話をした研修医の方がびっくり発言の連発だったので、北出先生にたどり着くまでに慣れてしまったようなところがありました・・・。

ご存じかもしれませんが、研修医の方は研修中なので大学上がりで荒削りで、その上毎日非常に忙しいです。私は手術時44才だったので、若い方に対するより言葉を選んでもらえなかったのしれませんが、大きな病院ならどこへ行って避けて通れない試練になる場合があります(もちろん素晴らしい方もいらっしゃいます)。それは大きな病院ならではのリスクとして理解しておかないと、特にこういったデリケートな分野ではととんでもなく傷つく場合があります。脅すわけではありませんが、そういう事もある、そこが小さい病院との差のひとつ、と心構えをしておくのは損にならないと思います。

難易度が高く技術面を優先しなければならない状況であれば大学病院は不可避ですが、余地があるならば他の選択も良いのではないかとも老婆心ながら思います。

マロンさんに合う先生に出会えるといいですね。どうぞお大事になさってください。
早くよくなりますように。